「なんだか毎日暑いよねー」

「なー、もう夏みてーだよなー。でも夕方になっと急に冷えっからな、ツナ、風邪とか気ぃつけろよな」

「だー! なれなれしいんだよ、野球馬鹿! 十代目にやたらと触るんじゃねえ! 暑苦しい!」

「えー、ツナ、暑苦しいか?」

「え、いや、……そんなことはないけど」

「だろー? 獄寺もそんなにヤキモチやくんなら、ツナにべたべたすりゃあいいじゃん」

「ばっ、ばっかじゃねえの!!」

「……獄寺くん、なに、その、乙女みたいな真っ赤な顔はっ」

「え、いや! 十代目を抱きしめたいだなんて思ってませんから!」

「……思ってるんだね……」

「いや、いやいやいや! 誤解です、誤解ですよ! 十代目! オレは心から十代目をお慕い申し上げてますから!」

「そこを力説するから、問題なんじゃないのかな、獄寺くんは」

「あははー、やっぱり獄寺は面白いのなー」

「うるせ! 野球馬鹿!」

「なー、ツナー、あちぃから帰りにアイス買って帰ろうぜー」

「うん。いつものコンビニよろうか」

「え、ちょ! 十代目! オレもご一緒していいですか!?」

「ははは、もちろん三人で行くに決まってるでしょ」

「はい! お共します!」

「オレ、ダッツにしようかなー、新商品、でてたじゃん?」

「わ、山本ってばゴージャス! オレはクーリッシュかなあ。獄寺くんは?」

「オレ、コンビニでアイス買ったことないんで、十代目のおすすめをいただこうと思います!」

「………………」

「え、なんでそんな目でオレのこと見るんです、十代目」

「お坊ちゃんなのなぁ、獄寺」

「えっと……。とりあえず、ダッツならいいんじゃないかな。間違ってもがりがりくんは選ばないほうがいいよ」

「がりがりくん? なんです、それ?」

「ま。うん。――帰ろっか」

「おー」

「はいっ」


『緑芽吹く五月の放課後・中学生トリオ』